アメリカ 日本 二重国籍者

アメリカへ駐在するご家族のビザ手続きなどをしていると、

どうしても避けられないのがアメリカと日本の二重国籍者のこと。

生地主義をとっているアメリカではアメリカで産まれた子供は

全員アメリカ国籍を有することになるから、

前のアメリカ駐在期間中に生まれたお子さんの多くが二重国籍ということになる。

その子らはビザは取らなくていい。いいや、ビザは取れないのだ。

ビザというのはその国以外の国籍者が非移民目的にしろ、移民目的にしろ

合法的に滞在できるようにするものであって、二重国籍者はそのビザ以上のステータス、

つまりアメリカ人なのだから何も考えることなく、アメリカに滞在できるじゃないか。


そのあたりのことがよく分かっていないお母様方よりお電話をいただくことがある。

それは分からないよね!日本人がアメリカ人を産むなんて、

まったく日本人には理解できない発想なのだから。

「日本を出国するときはどちらのパスポートを見せるのですか?」

この質問が一番多い。日本にいるときは日本人として生活をしているね?

ビザなしでは90日しかいられないアメリカ人としてではないよね?

だったら、日本人として出国しようよ。

「アメリカに入るときは?」

それは日本と逆さ。日本人パスポートで入ったらやっぱり90日しかいられない。

でもアメリカ人としてなら無期限でいられるじゃないか。

だから、日本入国/出国の時は日本人のパスポートを見せて、

アメリカ入国/出国の時はアメリカのパスポートを見せよう。

出入国スタンプがバラバラになるけど、それはそれで問題ないんだよ。


日本人夫婦がアメリカ人を産む。

これはびっくりの発想だけど、世界的に見れば普通だってことさ。

 

アメリカEビザ 貿易投資家

「Eビザって、どんな小さな企業でもアメリカに投資さえしていればいいの?

企業の大きさとかは関係あるのかな?」

そう言われてわたしは困った。

tokoの指摘は毎回的を得ている。

わたしの知識不足のせいだろう、充分に答えられない時もあるのだから。

「数字として、何万ドル以上ってのはないよ。

ただ言えるのは、アメリカに相当額の貿易や投資をする企業ってこと。

つまりね、自分の所得だけのためにアメリカに会社を立ち上げたとしても

それは投資や貿易とは見なされないからEビザの適用外だ、ってこと」


「あー、分かりました。

自分ひとりとか、家族経営の企業とかで生活費ぐらいしか利益を期待していないのに、

これがアメリカへの投資だっ!って言ってもEビザはおろしてくれないのね?」

「そうだよ、そういうこと。

それは僕だってアメリカに投資して有限会社Ken LLCでも作ってEビザを取りたいけど、

そんな小規模の会社じゃぁEは取れない」

「わかったー。わかったー。よくわかったー」

そう言ってtokoは自分の仕事を続け始めた。

ほっと胸をなでおろすわたし。

アメリカビザのことは、この実務担当者の立場からだけでも分からないことだらけ。

弁護士、移民局、ビザ申請者、他色々な立場から勉強しないと

ちゃんとした答えができるものじゃないから。

アメリカ Lビザ Eビザ


「toko, LビザとEビザの違いが明確に言い当てられるかい?」

ケンにそんな難しい質問をされて、わたしは困った。

「ムリです、よく分かりません」

どうせダメだと思って、即答でそうギブアップすると

ケンがにっこりと微笑んでこう言った。

「正解!それでいいんです!」

「なにそれ?!からかってるぅ?」

ちょっと馬鹿にされたカンジがしてそう反抗すると、

やっぱりケンはマジメな顔で続けてくる。

「いや、本当に。LとEはね、僕も実は明確には違いが分からない。

多分誰もはっきり区分けはできないと思うんだ」

「そうは言ってもお客さんにも説明しないと困るでしょ?

じゃぁ、ケンの理解でいいから教えてよ。分かる範囲でいいからさ」

そこまで譲って逆質問すると、ようやくケンが教え始めてくれた。

「Lってのは企業内転勤者ビザ、つまり世界中の同グループ内での転勤さ。

転勤だから一時的なものでね、最初は3年のビザ、最長で7年しかない」

「はい。それは分かるんだ。転勤者ね。分かりやすいよ」

「Eでしょ、問題は。Eは投資家のビザだよ。

簡単に言うと日本の企業がアメリカに投資をする。

お金を投資して、アメリカに自分の子会社をたてる。

その子会社を育てていくのはもちろん大切だよね。

その過程で、日本の企業なのだから日本人の社員をアメリカに派遣するのは当然だ。

それは投資家としてしっかりと影響力を保ち子会社を経営してゆく、という目的があるね。

この目的のための派遣されるビザをとる人がEビザの申請者なんだ」

「うん、そっちも分かった。個々は分かるんだけど、

実際、駐在員を出すときはどう判断すればいいのかな?

転勤っていえば転勤だし、投資っていえば投資。そこが分かんない」

「あはは、実は僕も分からないんだ!」

あっさりとケンも言ってのけた。

「だからそこを教えてよ!ケンが分からなくちゃ、誰も分からないよ!」

「まぁね。だから曖昧なんだ。LでもEでもいい。

アメリカで役員クラスのトップマネージメントに就く人がEビザであったほうがいいのは、

投資という面からはっきりしているよね。

でも彼らだってLでダメなことはないんだ。

実務担当者はLのほうがいいけど、日本のやり方をアメリカで

ゼッタイに徹底するのが経営の基本、ということだったらEビザとしてでも考えられる。

要は答えはないんだよ、やっぱり」

「なるほどねぇ。そこまで考えての答えなしなら納得しました。もういいです」

わたしはそれ以上の答えはいらないと思った。

線引きできないものも世の中にはあるよ。

それにこだわっていても、明日が見えてこない。

曖昧なものを残すのも、将来に繋がる永遠のミステリーさ。

だからケンも答えを出せないこと、それはそれで正解だと思ってよ。

 






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